「歌うカタツムリ」千葉聡著

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「歌うカタツムリ」千葉聡著

 200年前のハワイではカタツムリが歌うと信じられていた。19世紀半ば、ハワイマイマイの研究者で宣教師のギュリックも、カタツムリが奏でる音を聞いたと書き残している。しかし、20世紀にハワイのカタツムリは突然姿を消し、その真相を明らかにする術はもうない。

 少年時代、ギュリックは、木の枝に群がるハワイマイマイの貝殻を夢中でコレクション。長じてダーウィンのビーグル号航海記を手にした彼は、ハワイ諸島固有のハワイマイマイ類にガラパゴスの生物と共通の自然の法則が働いていることに気づく。以降、自身が収集した膨大なコレクションをもとに研究に没頭。

 ギュリックにはじまるカタツムリの研究を通して、進化理論の論争の歴史をたどる科学テキスト。

(岩波書店 1243円)

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