「ニッポン政界語読本 会話編・単語編」イアン・アーシー著
「ニッポン政界語読本 会話編・単語編」イアン・アーシー著
政治家が、理解が得られないときに使う常套句が「粛々と」である。文例として「辺野古移設については安全性に留意をしながら、そこは粛々と進めていきたい、こう思っています」という菅義偉官房長官(当時)の発言が挙げられている。
「広辞苑」では「粛々」は「つつしむさま」などの説明が載っているが、沖縄県民にとってはつつしむどころか、民意を踏みにじっているようにしか見えない。こんな進め方を的確に形容するには「粛々」の代わりに「ゴリ押しで」などが入りそうだ。(「会話編」)
また、「原則として」は例外を無限に拡大するときに使われる。(「単語編」)
ピンチを切り抜けるとき、役に立ちそうな会話術読本。
(太郎次郎社エディタス 各1760円)