「日本人が知らない台湾有事」小川和久著
「日本人が知らない台湾有事」小川和久著
米国の情報機関によると中国の習主席が2027年までに台湾侵攻の準備を整えるよう指示したとされ、にわかに台湾有事への懸念が高まった。27年は習体制が4期目に入る年でもあり、政権基盤を固めるために行動を起こすとの見方もある。
一方で、中国軍は軍事の専門家との議論で、自軍に台湾や日本に対する侵攻能力が備わっていないことを隠していない。ただ、著者は中国は己の非力を自覚しているからこそ侮りがたいともいう。
安全保障の専門家が、中国は本当に台湾に武力侵攻をするのか、日本やアメリカで行われたシミュレーションの結果からその可能性を考察。さらに、人民解放軍の能力の分析や、いま日本が備えるべき軍事力や中国と共存していくための戦略まで提示したテキスト。
(文藝春秋 990円)