「もしも世界からカラスが消えたら」松原始著

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「もしも世界からカラスが消えたら」松原始著

 こいつがいないと全体がくずれるという種を「キーストーン種」という。猛禽類のような高次捕食者がいる環境のほうが生態系の多様性は高い。カラスは捕食者なので、いなくなると思わぬところで生態系に影響する可能性もある。カラスは鳥の死骸などを見つけて「掃除」してくれるので、カラスがいないと死骸だらけで病気が発生するかもしれない。

 北米では、鶏がもちこまれるまではカラスが夜明けを告げていた。古代中国や古代エジプトではカラスは太陽から飛んできて夕方には太陽に帰る「太陽の鳥」と考えられていたのだ。

 嫌われ者のカラスが生態系や人間の生活に果たす意外な役割を動物行動学の研究者が紹介する。

(エクスナレッジ 1760円)


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