「限界分譲地」吉川祐介著

公開日: 更新日:

「限界分譲地」吉川祐介著

 1970年代からバブル期にかけ、都市近郊のさらに外縁部、郊外と農村部の境界あたりの地価の安い都市計画区域外で、開発許可が不要な範囲の小規模開発によって宅地分譲が繰り返された。

 そもそもが投機目的で乱売されたこうした分譲地では、半世紀近くが経っても、一度も家屋が建てられたことのない空き区域が総区画数の半数以上を占めるところも珍しくないという。

 一方の住人たちは、実勢相場が額面だけでも10分の1以下に暴落して売るに売れず、さらに水道や道路などの共用設備の維持管理などの負担が重くのしかかる。

 相続した人にとってはまさに「負動産」としかならない、こうした「限界ニュータウン」「限界分譲地」が抱える諸問題や現状について解説したリポート。 (朝日新聞出版 957円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ