「限界分譲地」吉川祐介著
「限界分譲地」吉川祐介著
1970年代からバブル期にかけ、都市近郊のさらに外縁部、郊外と農村部の境界あたりの地価の安い都市計画区域外で、開発許可が不要な範囲の小規模開発によって宅地分譲が繰り返された。
そもそもが投機目的で乱売されたこうした分譲地では、半世紀近くが経っても、一度も家屋が建てられたことのない空き区域が総区画数の半数以上を占めるところも珍しくないという。
一方の住人たちは、実勢相場が額面だけでも10分の1以下に暴落して売るに売れず、さらに水道や道路などの共用設備の維持管理などの負担が重くのしかかる。
相続した人にとってはまさに「負動産」としかならない、こうした「限界ニュータウン」「限界分譲地」が抱える諸問題や現状について解説したリポート。 (朝日新聞出版 957円)