「ヤバい統計」ジョージナ・スタージ著、尼丁千津子訳
「ヤバい統計」ジョージナ・スタージ著、尼丁千津子訳
イギリスで労働・年金省が、使っていない寝室がある家に住んでいる人への住宅手当を減額する案(寝室税)を提示した。労働・年金省は人々が引っ越しはせずに住宅手当の減額を受け入れると考えて、初年度で4億8000万ポンドの予算削減を予測していたのだが、政策実施直後になんと5分の1の世帯が狭い家に引っ越していた。
予測が当たるのは特定の前提条件が満たされた場合だけで、前提条件のどれかが満たされていなければ、正しい結果は出ないのだ。
イギリスの公共政策に関わる統計学者が、一見、信頼できそうな「エビデンスに基づいた政策決定」の危うさを指摘した、警告の書。 (集英社 2640円)