「報道協定」初瀬礼著
「報道協定」初瀬礼著
諸橋孝一郎は、マスコミに多いコネ入社でなく「一般人枠」で東京中央テレビに入社し、がむしゃらにがんばって敏腕記者となった。定年まであと6年だが、このまま終わりたくない。海外特派員の異動を希望したが、命じられたのは調査報道番組「ザ・特命記者」だった。
ある日、IT企業ツインズの社長、簗瀬拓人の息子、翔太が誘拐されたという情報が入った。ツインズ・ビル8階に設けられた託児所から突然姿を消した。託児所は1階から直通のエレベーターで行けるようになっていて、警備室の映像には翔太が独りで乗っているのが写っていた。だが、突然の停電でその映像も消えてしまう。
報道記者が活躍するサスペンス小説。
(新潮社 2200円)