「OSO18を追え」藤本靖著
「OSO18を追え」藤本靖著
2019年7月、北海道・釧路の牧場で、放牧中の乳牛が熊に襲われた。ヒグマは木の実、昆虫、サケなどを食べる雑食性で、肉を食べるのはエゾシカの死体を見つけた時くらい。当初は牧場の管理に問題があったと考えられたが、その後も牛が襲われる事件が相次ぐ。
足跡から「体重200~230キロほどのオス」と推定。最初に牛が襲われたオソツベツの地名と足跡の幅18センチから、コードネームは「OSO18」に。3年間で57頭が襲われ、26頭が死亡した。2021年、「南知床・ヒグマ情報センター」に北海道釧路総合振興局から協力依頼があり、「OSO18捕獲作戦」がスタートする。
未知の食性をもつヒグマとの闘いの記録。 (文藝春秋 1870円)