「アーモンド」ソン・ウォンピョン著 矢島暁子訳
「アーモンド」ソン・ウォンピョン著 矢島暁子訳
満4歳のとき、母親は笑わない「僕」を心配して病院に連れて行った。検査の結果、頭の中の扁桃体が先天的に小さく、あらゆる感情が感じられない「失感情症」と診断される。シングルマザーの母は、音信不通だった祖母を頼り、3人での生活が始まる。祖母は僕を「かわいい怪物」と呼んで可愛がってくれた。
しかし、クリスマスイブ、外出先で通り魔に襲われ、祖母は目の前で惨殺され、頭をハンマーで殴られた母は永遠に話すことができなくなってしまう。母の古本屋を引き継ぎながら高校に通う僕を、ある日、大学教授のユンが訪ねてくる。ユンは僕に、死が近づいている妻に息子に成りすまして会って欲しいという。
感情を持たない少年がある少年との出会いで人生が大きく変わっていく姿を描くベストセラー。
(祥伝社 825円)