「数字まみれ」ミカエル・ダレーン、ヘルゲ・トルビョルンセン著 西田美緒子訳
「数字まみれ」ミカエル・ダレーン、ヘルゲ・トルビョルンセン著 西田美緒子訳
数字は有意義で、理性的で、客観的なように見える。だが、数字は人びとを誤った方向に誘導し、対立させ、命令する悪魔なのだ。
アメリカではティーンエージャーの自殺者の多くは、ソーシャルメディアで「いいね」やフォロワー数が少ないことが自殺の一因になっている。個人の人気と価値を過度に数値化してしまうことで、心理的、社会的メカニズムをいっそう強化する可能性がある。「いいね」はソーシャルメディア依存症を生み、脳にギャンブル同様の影響を与える。客観的に見える数字は、実は主観的要因に影響されるのだ。
経済学者と心理学者が、「過剰な数値化」により数字に操られる危険性を指摘する。
(東洋経済新報社 1980円)