「ミツバチたちの危機を超えて」レベッカ・エリス著、大森正之訳

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「ミツバチたちの危機を超えて」レベッカ・エリス著、大森正之訳

 植物の約80%はハナバチが花粉を運ぶことに依存しているが、野生のハナバチは気候変動、農薬の使用、さらに生息地やエサの喪失などの影響で絶滅の危機にさらされている。

 最大のリスクは資本制農業によるものである。ハナバチは花の蜜だけでなく有害な化学物質まで運んでしまうのだ。農薬の中でもこの20年間、大規模に使われてきた浸透性農薬のネオニコチノイドの被害は大きく、カナダでは水生生物や水路への危害が懸念されて、使用制限も検討された。フランスでは新製品のイミダクロプリドによりミツバチの群れの死亡率が増大したため、ネオニコチノイドの使用禁止運動が起きている。

 資本制農業の環境へのリスクを指摘する警告の書。 (緑風出版 3960円)

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