「謎解き妖怪学」小松和彦著
「謎解き妖怪学」小松和彦著
日本の妖怪は5つか6つくらいの大きな特徴を持っていると著者は考えている。ひとつはその歴史の長さで、「古事記」や「日本書紀」にもヤマタノオロチのような妖怪が登場する。
妖怪が登場する物語や絵が豊富であることも特徴で、最初の画像は「春日権現験記絵巻」など、霊験譚を絵物語にしたものに脇役として描かれている。それが中世の中ごろになると、酒呑童子や九尾の狐・玉藻前などヒーローのような強力な妖怪を退治する物語になる。そういうものを恐れながらも愛しているという日本文化の伝統は「ゴジラ」などの怪獣映画に引き継がれているのではないか。
民俗学者が日本の妖怪の謎を読み解く。
(KADOKAWA 1650円)