カツラかぶって試合に 小口雅之さんの波乱万丈ボクサー人生
そのシーンを想像すると、失礼ながら、やっぱり笑っちゃう。もっとも、この一件で一躍注目を浴びるようになった小口さん、ワイドショーやバラエティー番組に引っ張りだこになり、実家も現役続行を許してくれた。
「カツラはさすがに懲りました。でも、ボクもプロ。それからはハゲをトレードマークに変えてお客さんを喜ばせようと、リーゼントやアフロヘア、それに祖母が大好きな氷川きよしやペ・ヨンジュン風のカツラをかぶって入場するなど、パフォーマンスに努めました。その間は引き分けをはさんで11連勝。絶好調でしたね」
09年10月には三浦隆司(現WBC世界スーパーフェザー級王者)が持つ日本スーパーフェザー級タイトルに挑戦。このときはちょんまげで入場するも、判定負けした。通算成績は19勝(7KO勝ち)7敗3分け。
現在は埼玉県八潮市のLPガス販売会社に勤めるサラリーマン。12年10月には小口さんのファンだった千夏夫人(33)と結婚し、今夏には第1子が生まれる予定とか。
「実はあのカツラの試合前、当時の恋人に裏切られるわ、勤めてた会社をクビになるわで、ボクの人生、最悪だったんです。その上、カツラで大恥をかいた。なのに、それで思わぬ人気を得ることになったんですからね。“ピンチはチャンス”の意味がよ~くわかりました」