映画「ローガン」監督が語るR指定へのこだわりと疑問
公開中の米映画「LOGAN/ローガン」は、R+15指定(15歳以上の観賞が可能)だ。アメコミ発の「X―MEN」シリーズの一本で、ヒュー・ジャックマン(48)演じる人気のキャラクターが主人公だけに子供の観客も多いだろう。だが、監督のジェームズ・マンゴールド氏(53)は、あえてレーティング(年齢制限)付きの製作にこだわった。全編にわたって激しい暴力シーンとセリフがある。その意図を聞いた。
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R指定を得られたことで、子供向けに売る必要のない、大人向けの成熟したドラマをつくることができた。これはありがたい話でした。子供向けの作品は、脚本も演出も単純化させ、展開を速くすることが求められます。ファクトをふんだんに入れ、愛らしい犬を登場させたり、映像もカラフルにしなければならない。今作の冒頭では2人のオヤジが自分たちの老化や衰えについて話すシーンが7分間続きますが、仮に子供向けの作品だったら1分半が限界でした。子供には中高年のグチは退屈ですからね。
今作には少年少女が多く登場します。過去にも「タクシードライバー」のように子役が出演したR指定の良作がありますが、子役が出るからといって全編通して子供目線、子供基準で描く必要はないし、私は(米国の)レーティング制度そのものに偏見があると考えています。