<3>広い部屋に2人きり…「師匠と同棲してます」と言って笑いを取ってました
談志宅は現在、弟子の志らくが借り受け、改築して家族と住んでいる。
「タダでもらえる物は頂く。物を無駄にしない。それが師匠のポリシーでした。落語会の打ち上げで居酒屋へ行った時、『刺し身のツマを持って帰れ』と言われた。こんな物、何に使うんだろうと思いながら、ビニール袋に入れましたよ。翌朝、それを味噌汁の具にしたのには驚いた(笑い)。『細く切ってある上に、刺し身の汁が染み込んでるからダシが出る』と。何でも無駄にしない人だなあと感服しました」
談志との同棲生活は2年半に及んだ。=つづく
(聞き手・吉川潮)
▽立川談幸(たてかわ・だんこう) 1954年、東京生まれ。本名・高田正博。78年、明治大学卒業後、立川談志に入門。前座名「談吉」。82年、二つ目に昇進し「談幸」に改名。83年、落語協会から脱退し、落語立川流が発足。87年、家元である談志の認証により真打ち昇進。2014年、立川流を退会し、15年に落語芸術協会に入会。