星由里子・花登筐 ゴルフコンペ後に行われた結婚式
<1975年4月>
4月21日午後2時、星由里子(当時31)は独り、東京・丸の内の東京会館で結婚記者会見に臨んでいた。新郎の花登筐(同47)は大阪公演の脚本執筆のため、不在だった。星は2度目、花登は3度目の結婚である。
結婚式は2日前の19日。星の説明によると、「仕組まれた式」だった。前日、仲間会のメンバーから星に石川県片山津温泉でのゴルフコンペの誘いがあった。仲間会とは花登と仲のいい役者やテレビ関係者でつくる親睦会である。
星には先約があり、断ろうとしたが、「メンバーが1人欠席したのでなんとか来てほしい」と電話の相手は執拗(しつよう)だった。
「では、ハンディを50くださいな」と星が冗談めかして言うと、「OK」との返事。急きょ参加することになった。だが、結局、星はコンペには加わらなかった。現地に着いてみると、みんなスタートした後だったからだ。星は旅館の仲居と世間話をして時間を潰した。
メンバーたちがコンペを終え旅館に戻ると、ブービーだった花登は風呂場でみんなの背中を流した。全員が風呂から上がると大広間で表彰パーティーが開かれたが、その最中に突然、畳の上に赤い毛せんが敷かれ、奥に金屏風が置かれた。読売テレビのビデオ製作室長が立ち上がり、「これから花登先生と星由里子さんの結婚式を執り行います」と宣言。2人を金屏風の前に座らせた。星はゴルフウエア、花登は旅館の法被というラフな格好だった。メンバーたちが祝福の言葉を次々に浴びせ、型破りな式は無事終了した。