死者年間1万4000人…風呂で溺死しない「正しい入浴法」
<適切な入浴なら健康になれる>
めっきり寒くなった。ゆっくり風呂につかって体を温めたいという中高年も多いに違いない。シャワーを浴びるだけで済ませるよりも、湯船につかって入浴する方が健康にいいといわれている。免疫力アップ、疲労回復、ストレス解消などに効果があるという調査もある。
東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授は言う。
「適切な入浴は、体全体に効果的だという報告はいくつもあります。浴槽のお湯の温度は上限41度、時間は10分以内、お湯には胸までしかつからないというのが適切な条件です。正しい入浴をすると、動脈、静脈、肺循環系といった全身の血管が拡張し、心臓が血液を押し出したり、戻ってくる際の負荷が減ります。血圧も下がり、少ない力で多くの血液を循環させることができる。心臓にとっては理想的な状態になります。心臓に持病を抱えている人にも、適切な入浴は心臓への負担を減らす治療法といっていいでしょう」
また、血管内の抵抗が減ると血液の粘度が下がるため、血液はサラサラになる。多くの血液が循環するようになるため、体全体により多くの栄養素や酸素が供給され、代謝や免疫力もアップするという。