毎年2万人超が発症、2000人死亡 日本は「結核中進国」
■「ただの風邪」そして放置されるケースも
営業職のAさん(33)は咳が続くので近所のクリニックを受診したところ、風邪という診断。数日薬を飲んでも症状は改善されず、別の病院を受診。やはり風邪という診断だった。
熱と下痢が続き、体がだるいので大学病院を受診。結核と診断され、すぐに入院となった。幸い、家族、同僚、上司、友人らに感染者はいなかったが、「だれか分からない人にうつしている可能性はある」とAさんは言う。
佐々木医師は次の点を強調する。
「咳やだるさ、熱、食欲不振などが2週間以上続くなら、呼吸器内科を受診すべきです。市販の風邪薬などを飲むと症状がいったん治まることも多い。でも、1週間くらいすればぶり返します。その場合も病院で検査を受けてください」
発症して日が浅ければ、結核菌を体外へ排出していないこともある。周囲への感染の可能性はないと判断されれば、外来での治療が可能だ。
親は、自分は、子供は、どうだろう。