適切な睡眠時間は? 厚労省の新「睡眠指針」信じていいのか
目安にするのは単純な睡眠時間ではなく、「起床から4時間後に眠くなるかどうか」だ。
人間には「睡眠―覚醒」の生体リズムが備わっていて、起床から4時間後に脳が最も活発になるようにプログラムされている。そのタイミングで眠気が出るのは、睡眠が不足しているということ。これさえチェックしていれば、今の睡眠時間が自分にとって適切かどうかを確認することができる。
たとえば、夜10時に寝て朝6時に起きている人が午前10時に眠くなるなら、8時間寝ていても睡眠は足りていない。「量」は満たしていても「質」が悪いのだ。
「睡眠は眠り始めから最初の3時間の深さが重要です。睡眠が不足していると、多くの人は単純に『量』を稼ごうとして、生体リズムを崩してでも睡眠時間を確保しようとします。休日に寝だめしたり、3時間以上も昼寝をする人もいる。しかし、これは『睡眠―覚醒』のリズムを崩してしまうので逆効果です」
睡眠が足りていないなら、起床時間は変えずに普段より少しだけ就寝時間を早める。1日5分早めるだけでも、1カ月で計2時間30分も多く眠れる計算になる。これを繰り返していけば、リズムを崩さずに慢性的な睡眠不足を解消することができる。