診断まで10.3年 治らない腰痛は「強直性脊椎炎」だった

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 他にも、目だけで人を追う、会釈ができない、上目遣い、イスにそっくり返って座る――などがある。病気について知らない人からは、「横柄な態度」と見られることも少なくない。

 治療は、非ステロイド性消炎鎮痛薬が第一選択だ。運動療法も同時に行う。また、病状に応じて、ステロイドの局所注射、人工関節への外科的手術などを検討する。

 残念ながら、いずれも対症療法になるが、早期治療が重要であることは間違いない。2010年に生物学的製剤TNF阻害薬が適応されるようになり、早期治療の重要性がより高まった。

「若年性で、機能障害が進行しておらず、炎症反応が上昇している患者には、TNF阻害薬の高い有効性が期待できることが分かったのです。研究では約半数の患者に著しい効果が見られ、そのうち3分の1の患者は寛解に至りました」(多田医師)

 もしや…と思ったら、強直性脊椎炎に詳しい医師か、見つからなければリウマチの専門医を受診するといい。

「初期ではレントゲンで病変が表れにくい。表れても、見慣れていない医師は見逃すこともあります。経験を積んだ医師なら症状なども含めて総合的に判断します」(多田医師)

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