最悪一生寝たきりも…風邪だと思ったら「扁桃炎」の恐怖
風邪だと思っているその症状は、実は扁桃炎かもしれない。最悪の場合、緊急手術や長期入院を余儀なくされる。手足がマヒし一生寝たきりになる人もいる。また、いったんよくなっても、入院が必要なほどの重度の扁桃炎を繰り返すようになる人も。決して甘く見てはいけないのだ――。
■重症化すると首の奥まで膿がたまる
Aさんは、食事をする時に喉に違和感があった。次第に食べ物を飲み込むのもつらいほど痛みが増し、発熱もあったが、風邪だと思い、市販の風邪薬でなんとかしのいでいた。
しかし、40度の高熱で起き上がれなくなり、口から水も飲めないほど咽頭痛が激烈に。大学病院の耳鼻咽喉科で「扁桃炎が重症化して首の奥まで膿がたまっている」と診断された。緊急手術になり、入院生活は1カ月近くに及んだ。退院後も、何度も扁桃炎を繰り返すなど慢性化し、最終的に、扁桃の摘出手術を受けることになった。
扁桃は、口を開けた時に見える口蓋垂(あごの上から垂れ下がっているもの)の両脇にある。扁桃には免疫細胞が集まっていて、鼻や口から気管や肺へ細菌が侵入するのを防いでいる。