米国では毎日44人が死亡…死を招く「痛み止め乱用」

公開日: 更新日:

「男性はおしっこがオレンジ色で、白目が黄色く濁る黄疸症状が出ていました。明らかに肝臓に障害が出ており、近くの総合病院に送ったところ、即入院になりました」(石原所長)

 この患者さんは風邪薬を飲む前に、大量の飲酒をする日が続いていたという。

「非ステロイド系鎮痛薬は腎臓の血流を低下させるため、腎機能を悪化させることがあります。また、心筋梗塞や心不全を増やすというデータもあり、心臓や腎臓の悪い人、血圧が高い人は気をつけなくてはなりません。安全とされるアセトアミノフェンも、お酒の後で飲むと、代謝産物が毒性を持ち、肝臓に障害を起こすことがあります」(石原所長)

 問題は今後、日本でも鎮痛剤で体調を落とす患者さんが増えていく可能性があることだ。

「いまは医師の処方が必要だったスイッチOTC薬が薬局で買えるようになっているうえ、用途別にさまざまな鎮痛剤が出ていて、知らず知らずのうちに危険な量を超えてしまうケースがあるからです」(石原所長)

 体調不良はなんでも薬で解決、なんて安易に考えるとかえって体を壊すことを覚えておこう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…