食生活だけが原因じゃない 便秘と前立腺肥大症の深い関係
前立腺肥大症は、前立腺の内側の部分が肥大化する病気だ。なぜ便秘が起こるのか。
「前立腺は膀胱の下部にある尿道括約筋の奥にあります。肥大化すると、中央に走っている尿道が圧迫されて尿が出にくくなる。尿がたまって膀胱が腫れると、今度は直腸を圧迫し、便が出にくくなり便秘になるのです」
■脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、脊髄損傷も
Aさんは排尿障害をあまり重く捉えていなかったが、前立腺肥大症、排尿障害、便秘はそれぞれ相互関係にあるのだ。
「イキんで排便しようとすると腹圧が高まり、それによって前立腺が充血し、尿道がさらに圧迫されて排尿障害がもっとひどくなるのです」
前立腺肥大症の日常的な注意には、「バランスのよい食事」「刺激物を取らない」「座ったままの姿勢を長時間続けない」「体を冷やさない」と並び、「便通を整える」が挙げられている。便秘が症状を悪化させることもあるからだ。
「便秘を改善したら前立腺肥大症が治るわけではありません。しかし、便秘が解消されると、前立腺肥大症で起きている尿の出の悪さが改善されることが多くあります」