耳掃除はどれくらいの頻度ですべきか
毎日の耳掃除が習慣となっている人もいるでしょうが、はたして正しい行為なのでしょうか? JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科の石井正則先生に聞きました。
「耳掃除を頻繁にするのは、日本人の悪しき習慣です。そもそも耳アカは自然と体外に排出されるものなので、一生懸命掃除をする必要などありません」
耳の内壁の表面は、鼓膜から耳の外に向かって大陸プレートのように常に移動しているといいます。それが耳の入り口付近(うぶ毛が生えているところ)で耳垢(じこう)腺からの分泌物と混ざり、耳アカとして剥がれ落ちます。湿っぽい耳アカの場合は剥がれ落ちず、そこにへばりつくこともあります。
「だから、耳掃除は耳の入り口付近、1センチの深さのところまでを拭えば十分。それ以上、奥まで触ろうとすると、耳アカを奥へ奥へと押し込んでしまうことになります」
耳アカが鼓膜のあたりで押し固められ、聞こえが悪くなって来院する人は珍しくありません。また、耳の中の皮膚は非常に薄く、ちょっとした刺激で傷がつき、炎症を起こすことも。耳掃除を頻繁にする人が、耳の痛みを訴える例も後を絶たないそうです。
「どうしても耳掃除をしたければ、3、4週間に1回くらいに控えること。それも入り口付近を綿棒で優しく拭うだけ。ゴリゴリこするのは厳禁です」
ちなみに、耳アカの成分には虫よけ効果があるとのこと。キレイ好きもほどほどに!