著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

スマホで不眠に? 専門誌「Sleep」が9万5000人に調査

公開日: 更新日:

「消灯後、就寝前にスマートフォンをついつい見てしまう」――。そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。スマホの画面から発せられる光が原因で不眠になるとか、閲覧内容により脳が興奮し不眠になるなんていわれることもありますが、本当のところはどうでしょう。少し古い報告ですが、携帯電話使用と睡眠障害の関連を検討した論文をご紹介しましょう。

 論文は睡眠医学に関する専門誌「Sleep」の2011年8月号に掲載されたもの。日本人の中高生を対象としたアンケート調査です。消灯後、就寝前に通話やメール送信のためにどれくらいの頻度で携帯電話を使用したか、また睡眠時間や睡眠の質などについて、自己報告で回答してもらいました。

 9万4777件のデータを解析した結果、「全く通話やメールをしない人」に比べて、「消灯後に毎日通話する人」は睡眠時間の短縮が21%多く、また睡眠の質低下も22%多いという結果でした。同様に毎日メールする人も、睡眠時間の短縮が15%多く、睡眠の質低下も27%多いという結果になっています。

 この研究は08年時点での調査結果をまとめたものであり、総務省の「平成27年度情報通信白書」によれば、携帯電話普及率は95%を超えているものの、スマートフォンがまだ普及していなかった時代の調査報告です。現在ではモバイル端末の主要な役割が通話やメール送信から、音楽や映像の視聴を含むインターネット閲覧、モバイルゲーム、ソーシャルネットワークの利用等へと大きく変貌しました。夜間消灯後にモバイル端末を使用する機会はさらに増えているかもしれませんし、睡眠障害のリスクはこの結果以上のものかもしれませんね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動