体の異常を伝えるサインかも…臭い唾液に潜む“重大病”
「一番わかりやすいのが糖尿病の人の唾液です。リンゴの腐ったような甘酸っぱいアセトン臭と呼ばれるにおいがします。糖尿病の人は血糖を取り込みエネルギーに変える役割を担うインスリンが不足するため、脂肪やタンパク質を分解してエネルギーをつくり出します。このとき中間代謝産物としてつくられるのがケトン体で、これにアセトンが含まれているのです。ダイエットでムリな食事制限をした人も同じにおいがします」(木村院長)
ドライマウスは糖尿病以外にストレス、口呼吸、シェーグレン症候群などのほか、降圧剤や利尿剤、花粉症の薬など、薬が引き金になるケースもある。
鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起きる副鼻腔炎も唾液を臭くする原因だ。鼻が詰まって口呼吸になりやすいうえ、のどに落ちた膿が口のなかで混ざり、唾液が臭くなる。
「肝臓や腎臓が悪いと、体内の毒素を分解・排出しきれず、その毒素が血液を通して唾液に溶け込みにおいを放つ。アンモニアやニンニク、カビ、腐った卵のようなにおいがします」(木村院長)
では、唾液のにおいを消すにはどうしたらいいのか? 原因となる病気を治すことが一番だが、一時的でも口腔内の細菌を一掃することだ。