冠疾患集中治療室 関西では高槻市から寝屋川市が空白地帯
重症心臓病患者の救命を担うCCU(冠疾患集中治療室)。関西圏(大阪府・京都府・兵庫県)では291床が稼働しています(大阪169床、兵庫77床、京都45床)。〈表〉はCCUが多い・少ない2次医療圏をまとめたものです。2次医療圏とは、その中で住民の医療が完結することを前提とした、行政上の区割りのことです。
大阪府では、大阪市医療圏(大阪市全域)が88床で断然の1位。ただし、このエリアは人口270万人を有する全国最大の2次医療圏です。年間の急性心筋梗塞患者は、単純に計算しても約1万4000人。しかも昼間の人口は約4割も増えるので、患者はもっと多いはず。大阪市内で心筋梗塞の発作に襲われても、CCUに収容される確率は、かなり低そうです。
それでも、大阪府東北部の自治体よりはマシです。高槻市から寝屋川市に至るエリアはCCUの空白地帯です。市内に近いとはいえ、昼間は道路が混みあっています。むしろ近所の病院の、普通のICU(集中治療室)に入るほうが、助かる率が高いでしょう。
最大のCCU数を誇る東京都でも、状況は似たようなもの。そのため71病院(443床)が参加する「東京都CCUネットワーク」が組織されており、東京消防庁などと連携して、空いているCCUの融通や患者の迅速な搬送を実現しています。この活動は全国に広がりを見せており、大阪府でも同様の取り組みが行われています。しかしまだ部分的で、府全体をカバーするネットワークは組まれていないようです。