原因は「人生」と「生活」 認知症の問題行動は抑えられる

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 問題行動の原因のひとつにあるのが、「人生」だ。

 三好氏が特別養護老人ホームで宿直していた時、突然停電が起こった。施設には自家発電装置があり、モーター音が響いて非常灯がついた。すると、入所者である認知症の男性が廊下に飛び出し、大声で叫んだ。

「空襲警報発令! B29が来たぞ!」

 これを、三好氏は「認知症の問題行動とみなされがちだが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)ではないか」と言う。

「同様の発表は、介護の学会でもされています。認知症の方のこれまでの人生の中に、問題行動とされる行為の原因があるケースです」

 何かの拍子に過去の経験がよみがえる。しかし周囲は、問題行動と決めつける。場合によっては、「認知症の問題行動を抑えるために、薬の投与を」となる。三好氏によれば、「愚の骨頂」だ。

■排泄ケアがカギ

 さらに、「生活」にも問題行動の原因が潜んでいる。介護に関する報道などで、“介護地獄”の代表例として挙げられる弄便や異食の多くは、「生活」が関係している。

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