夫の言葉に導かれ だいたひかるさん「乳がん闘病」を語る
■医師に思わず「オススメはなんですか?」
結果は「右乳房の乳がんステージⅡA」との診断。後にリンパ節にも転移していることがわかり、最終的には「ステージⅡB」でした。しこりは約3センチと大きかったものの、早期に近かったので乳房は3分の1温存できるとのことでした。ただ、「温存すれば再発のリスクが残る」とか、再建手術がうんぬんという説明も同時にされたため、それがまるでお経のように感じられて……。結局、私が主治医に言えたのは「オススメはなんですか?」という変な質問だけ。主治医は「(右乳房)全摘です」と言い、夫も賛成したのでオススメを選択しました。
悩まなかったといえばウソですけれど、「命か胸か」と言われたら答えはおのずと出ていました。右胸がなくなるのは寂しかったですが、ものは考えようです。心が傷つかない方法をいろいろ考えて、そのときは「小学生に戻ったと思えばいいや」と自分を納得させました(笑い)。
入院は2月下旬。手術を受けた夜、背中が痛くて何度もナースコールをしたときも、「もしここが野戦病院だったら、ナースコールなんてないんだ」と妄想して、自分の幸せを噛みしめました。翌日からは、もう歩いてレントゲン室に行ったり、数日後にはドレーン(排液管)を付けて仕事をしたり、家が近かったので毎日、夕飯を作りに帰ったりもしました。