俳優・真夏竜さん語る「進行性胃がんと闘って得たもの」
入院は12月8日から約1カ月間でした。ベッド生活も悪くなかったですよ。痛み止めの座薬を看護師さんに入れてもらうのが楽しくなっちゃって、座薬のベルをずいぶん鳴らしました(笑い)。
3週間目にはラジオの仕事に行きましたし、お正月は3日間の一時帰宅も許されました。ただ、「食事は一口30~50回くらいよく噛んでください」との注意があり、自宅で大好きな刺し身のトロを何度も噛んでたら、噛み過ぎてなんだか気持ち悪くなっちゃって、数時間後には病院に帰りましたけど(笑い)。
■大病をして得たものは「終わりの覚悟」
「再発が怖い」と言われますが、あれだけの特別チームでとても好意的なケアをしていただいたので、これで再発なら仕方ないと思っています。いまも相変わらずお酒は飲むし、たばこもやめないのは、人生に後悔したくないからです。「あれが悪い」「これはよくない」と言われますけど、あくまで統計上の問題ですから、私は食べたいものを食べたいときに食べたい。それでダメでもしょうがないと思えますからね。
ネガティブなイライラやストレスになる考え方のほうがよほど体に悪いと思っているんです。人は「生まれて」「生きて」「死ぬ」という3つの出来事の中で、自殺を選ばない限り「生きて」の部分だけが自分の意思でできることなのですから。