熱中症や脳梗塞を防ぐ「医学的に正しい」汗の拭き方
人間の皮膚には浅い溝が縦横に走っていて、汗の蒸発面積を増やすのに適した構造がある。「汗を少し残してそれを塗りのばす」のは、これを推し進めることにもつながるのだ。
「汗は食塩水ですから、真水に比べて蒸発が抑制されています。汗の量が多くなれば、汗に含まれる塩分は多くなるので汗が蒸発しにくい。汗を皮膚にのばして蒸発面積を広げることは、その意味でも有効なのです」
ただし、このときどうしても気になるのが臭いの問題だ。
「汗の臭いの主な原因は、皮膚にひそむ細菌の増殖です。汗が少ないときは汗が皮膚面を酸性化して細菌の増殖を抑制します。しかし、汗が増えると皮膚はアルカリ性に傾いて抑制効果が低下し細菌などが活動して臭くなる。この時季の汗は湿り気のある除菌シートで拭くのがベストでしょう」
たかが汗と思うことなかれ。夏は1日で10リットルの汗をかく人もいる。汗を効率的に流すことは熱中症や心血管イベントの予防だけでなく、体の臓器のムダな動きを抑えて夏バテを防ぐ意味もあるのだ。