体内の“炎症”を抑えれば重大病リスク減? 欧州学会で報告

公開日: 更新日:

「今回の研究の狙いはアテローム性動脈硬化症患者を対象に、『カナキヌマブ』と呼ばれる抗炎症薬が心血管イベントの再発を減らすかを調査することです。背景には、脳梗塞心筋梗塞の引き金となる動脈硬化の原因は持続的な炎症にあるとする『炎症説』の存在があります」

■重大病克服の糸口を得たのか?

 動脈硬化は、これまで肉などの脂っこいものを多く食べることで血管内に脂質が沈着して起こるとする脂肪沈着説などが唱えられてきた。しかし、血液内の脂質量を減らしても思うように脳梗塞や心筋梗塞が減少しないことや、これらの病気を発症した人からクラミジア、歯周病菌、ピロリ菌など慢性炎症を起こす細菌が多数見つかったこと、糖尿病など体内に炎症を起こす病気を抱えている人の発症が目立つことなどから「炎症説」が注目を集めていた。

「今回の研究結果はこれを裏付けるものです。実は、5年ほど前にも痛風治療に使われる『コルヒチン』と呼ばれる炎症予防の薬を1日0.5ミリグラム投与すると、急性心筋梗塞や非塞栓性虚血性脳卒中などのリスクを低下させることが米国心臓病学会誌でも報告されています。コルヒチンはスタチンやアスピリン以上の抗炎症作用があるとされています。今回使われた抗インターロイキン―1βは、それ以上の作用があると言われています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も