世界が注目 完治困難な「好酸球性副鼻腔炎」の新たな治療概念

公開日: 更新日:

 慢性化膿性副鼻腔炎の場合、マクロライド系抗菌薬などでコントロールが可能だ。

 一方、好酸球性副鼻腔炎は、メカニズムがまだ解明されていないこともあり、完治は困難。薬物治療と手術を組み合わせて行っても、再発を繰り返すケースがほとんどだった。厚労省の難病指定になっている。

「新概念でアレルギー性鼻炎と喘息を併せて治療することになったように、好酸球性副鼻腔炎も喘息の状態を見ながら治療を行う。喘息の治療を十分に行うことによって、好酸球性副鼻腔炎がなかなか改善せず苦しんでいた患者さんの症状が軽減することが分かったのです」

■手術も回避できる可能性が

 野中教授らの調査では、好酸球性副鼻腔炎を含む慢性副鼻腔炎の患者の20%が喘息を合併。喘息患者では、40~73%が慢性副鼻腔炎を合併していた。

「喘息は、主に気道上皮細胞から作りだされるサイトカインによって“Th2型炎症”が起こり、骨髄での好酸球の生成が活発化し、それが気道粘膜に浸潤します。この好酸球は血流に乗って副鼻腔の粘膜にも運ばれ、好酸球性副鼻腔炎が起こります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  4. 4

    広末涼子は免許証不所持で事故?→看護師暴行で芸能活動自粛…そのときW不倫騒動の鳥羽周作氏は

  5. 5

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  1. 6

    【い】井上忠夫(いのうえ・ただお)

  2. 7

    広末涼子“密着番組”を放送したフジテレビの間の悪さ…《怖いものなし》の制作姿勢に厳しい声 

  3. 8

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  4. 9

    大阪万博は開幕直前でも課題山積なのに危機感ゼロ!「赤字は心配ない」豪語に漂う超楽観主義

  5. 10

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育