世界が注目 完治困難な「好酸球性副鼻腔炎」の新たな治療概念

公開日: 更新日:

 そのため、喘息を合併する慢性副鼻腔炎の患者の重症度を、CTを用いて分類すると、「慢性副鼻腔炎の重症度」「血中の好酸球数」「喘息による痰の中の好酸球数」はすべて相関関係にあるという。

「つまり慢性副鼻腔炎、特に好酸球性副鼻腔炎をコントロールするには喘息のコントロールが欠かせないのです」

 野中医師らは、呼吸器内科の医師による喘息の評価のもと、それが不十分であれば喘息の治療を強化し、好酸球性副鼻腔炎の治療成績を上げている。ただ、これが今、どこでも行われているわけではない。

「喘息は症状が出ていないから治った、というわけではありません。呼吸困難が起こらなくても、継続した治療が必要です。ところが、治療を途中でストップしている患者さんも少なくない。喘息の症状が出ていなくても、治療が不十分であれば、好酸球性副鼻腔炎の改善もなかなか見られません」

「one airway, one disease」の概念のもとに、耳鼻咽喉科医と呼吸器内科医が情報を共有し、しっかり治療に当たることが重要だと、野中医師は指摘。

 好酸球性副鼻腔炎の患者には、再発を繰り返すたびに手術を受ける人もいるが、そうしなくても、症状をうまく抑え込むことができる可能性がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さま進路先めぐる情報「根拠ない」は本当か? 秋篠宮家側近の“あやふやな説明”

  2. 2

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  3. 3

    JOC山下泰裕会長の療養離脱からはや1年…三屋裕子代行でも“無問題の大問題”

  4. 4

    K-POPライブ供給過多のシワ寄せ…赤字イベント増える日本でプロモーターが稼ぎたがるワケ

  5. 5

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か

  1. 6

    紀子さま《思い悩む》58歳誕生日で苦悩告白…悠仁さま“東大合格”で待ち受けるさらなる風当たり

  2. 7

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    高市早苗が総裁選で猛追!「選挙の神様」が陣営に加勢 都知事選で石丸伸二を2位に押し上げたプランナー