内臓5つ摘出も元気 建築家・安藤忠雄氏に聞く“生きる力”
75歳ぐらいまで働いて90歳まで生きる時代になりました。長い人生を生きぬくためには持続力、想像力、自己中心的に行動していくための知的体力が求められます。これが備わると、人生が面白くなります。諦めずにやり遂げる子どもたちを育てないと、日本の未来はありません。彼らが今後、どんな世界をつくっていくか、私たちは真剣に考えていかなければいけません。
■「できる限りのことをやりたい」
最近の子どもたちは本を読みません。判断力を養い、感性を育む上で、読書活動は欠くことのできないものです。特に絵本はいい。想像力が湧いてきます。お母さんたちも本を通して子どもたちと交流することで、心がつながります。生きる力を培ってもらうために、自由に利用できて、絵本や児童本をはじめとした文化に触れられる施設をつくってはどうかと考えました。
今、大阪市の中之島公園に「こども本の森中之島(仮称)」を建設する計画が進んでいます。建設費や運営費は寄付で賄います。ここから、「次の時代を考える子どもたち」が育っていってくれればと思っています。私自身、読書から「生きる力」をもらってきたからです。