便が出ないことも…雪道での“尻もち後遺症”を甘く見ない
「尾てい骨とは正式には尾骨のこと。人間がサルから進化した名残ともいわれていますが、この骨を折っても痛み以外に大きな問題は起こりません。ただ、近くに肛門や直腸があるので、折れる方向によっては肛門をふさいでしまい、排便障害を起こす可能性があります」(水井院長)
その場合、肛門から指を入れて尾骨の先端を押すようにして元に戻す、整復と呼ばれる治療が必要となることがある。
お尻の痛みが引いた後に腰痛に悩まされる人も意外に多い。
「実は仙骨や尾骨などの痛みが、椎骨と椎骨の間のクッション役を務める椎間板の受傷による痛みを隠してしまうことがあるのです。その場合、仙骨や尾骨などの痛みが引いた後に椎間板ヘルニアが発覚します。私の患者さんで半年後に足のしびれや腰の痛みが出た40代の女性がいました」(水井院長)
■痛みが続くなら病院で検査を
雪道の転倒でよくあるのが、尻もちをついた拍子に後頭部を打つことだ。その際、とっさに手をついたり、腰をひねって身を守ったために手や腰を痛め、その治療に注意が向いている間に、慢性硬膜下血腫が広がることがある。「赤坂パークビル脳神経外科」(東京・港区)の福永篤志医師が言う。