卵巣がん<3>酒が一滴も飲めないのに抗がん剤で酔っぱった
大塚さんはベッドに伏せ、大粒の涙をこぼしながら家族、友人、恩師、会社の人たち、医師ら、これまでお世話になった約40人に感謝の気持ちを込めてメッセージを書き残した。エンディングノートである。
■初回は泥酔したような錯乱状態に
他方、問題のヘパリン投与ストップからほどなくして肝臓が回復。24日に第1回の抗がん剤(パクリタキセル+カルボプラチン)が投与(点滴)された。
抗がん剤、パクリタキセルは強烈な治療効果を持つが、添加剤としてアルコール(無水エタノール)を含有している。副作用には個人差もあるが、直接血管内に注入することから、とりわけ下戸にはたまらない。大塚さんは酒を一滴も飲めなかった。
「初回は泥酔したような錯乱状態で、その後も気絶、幻覚、幻聴、二日酔いに悩まされました」
しかし、治療効果はてきめんだった。7月、8月、9月と3クール実施し、腫瘍径が約半分に縮小。CA125(腫瘍マーカー)は1300から34まで低下した。