著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

咽喉に穴が開いた! くしゃみを無理に止めてはいけない

公開日: 更新日:

 くしゃみは鼻の中などに入った異物を、外に押し出すための自然な反応です。ただ、結構大きな音がして、周辺に飛沫が散りますから、いつでもどこでも気兼ねなくできる、というような自然現象ではありません。

 たとえば私語厳禁の会議などでは、出ないように我慢をしなければいけなくなることもあります。そんな時に、皆さんはどうやってくしゃみを止めていますか? 

 方法のひとつが、口や鼻を押さえて、無理やりにくしゃみを体の中に押し戻す、というやり方です。

 しかし、そうした止め方をすると、一時的にはかなり口から咽喉の奥あたりに力が掛かるという感じがします。

 こうした方法に危険はないのでしょうか?

 今年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナル系の症例報告に、「くしゃみを無理に止めて咽喉の奥に穴が開いた」という、ビックリするような事例が報告されました。34歳の健康な男性が無理にくしゃみをこらえたところ、その後から咽喉の痛みと声の変化があり、病院で詳しく調べた結果、咽喉の後ろの方にある梨状窩という部分に穴が開いていたのです。

 これは極めて珍しい事例なので、そうそう同じことが起こるわけではありませんが、口や鼻を塞いでくしゃみを止めると、鼓膜などにも力が掛かる可能性がありますから、くしゃみを無理に止めることはあまりしない方が安全なようです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース