悪性リンパ腫と闘う垣原賢人さん「怖くて仕方がなかった」
大学病院で採血とリンパ生検を受けました。その翌週に診断が確定するとのことで、妻と一緒に聞きにいったところ、医師から「悪性リンパ腫、いわば血液のがん」だと告げられたのです。しかも、「ステージ4で完治はなかなか見込めない」とも知らされました。
ちょうどその半年ぐらい前に、高倉健さんが悪性リンパ腫で亡くなっていたので、「大変な病気にかかっちゃった」と思いました。
すぐに入院となり早速、抗がん剤治療を始めました。
「濾胞性リンパ腫」という年単位でゆっくり進行するタイプで、しつこくて再発率が高く、なかなか完治は見込めないといった話をあらためて説明されました。
ですから、入院生活は先が見えない、えたいの知れない“恐怖”との闘いでした。とにかく怖くて仕方がなかった。周りのベッドで寝ている他の患者さんがカーテン越しにのたうち回っていたり、いつの間にかいなくなったりすることもありました。
夜、寝付くこともできなくて、看護師さんに睡眠導入剤を勧められたこともあります。明るい未来が見えず、目をつぶって寝てしまえば、もう二度と起きられないのではないかという不安にも襲われました。