5年目で悪性リンパ腫再発を繰り返しても20年で完治させた患者がいる
悪性リンパ腫にはたくさんの種類があります。質が悪くて治療しても不幸な結果になることが多いものや、治療しないで自然経過を見てもよいものなどさまざまです。
日本人に最も多いのは「びまん性大細胞B細胞型」です。年齢に関係なく、薬剤で完治する可能性が高いのがこのタイプです。
私が経験した約1000例の悪性リンパ腫の患者さんの中から、このタイプの患者さん3人を紹介します。
病院事務職員のRさん(43歳・男性)は、結婚して半年後、風呂に入った時に両側頚部、腋窩部のリンパ節腫大に気づきました。熱も痛みもありませんでした。
頚部のリンパ節生検で「悪性リンパ腫びまん性大細胞B細胞型」の診断となり、CT検査では腹腔内リンパ節も腫大していることが分かりました。ステージⅢでした。
Rさんは化学療法で治癒を目指すことになりましたが、抗がん剤は精巣にもダメージを与えます。そのため、夫婦で相談して治療開始を数日遅らせ、産科のある病院で精子を保存してから治療が開始されました。