著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

年間1万7000人が急死 「入浴」は本当に健康に良いのか?

公開日: 更新日:

 お風呂が嫌いな人はめったにいません。温かいお湯に漬かると気分がゆったりとしますし、疲れが取れて、明日への活力が湧いてくる気がします。

 それでは、「お風呂の習慣は健康に良いのか」というと、必ずしもそうとは言えません。有名な東京都健康長寿医療センターの調査によると、2011年の1年間にお風呂で急死した人は、全国で約1万7000人に上っていました。

 なぜお風呂は危険なのでしょうか? 今のような寒い時季に熱いお風呂に入ると、外との温度差によって、血圧や脈拍が急変動する可能性があるからです。首までしっかりと浴槽に漬かると水圧がかかり、体温も急上昇して、心臓にも負担がかかりやすいと考えられています。

 この危険をなるべく減らそうとして考えられたのが、比較的ぬるいお湯にお腹の上くらいの位置までゆっくり漬かる、いわゆる半身浴です。これはダイエット効果があると一時ブームになりましたが、実はその効果自体は科学的に証明されていません。半身浴は入浴前後の心臓などに与える影響が小さいので、健康面ではより安全ではあるのですが、お風呂の気持ち良さという面では、物足りないところがあるのです。そのため最近では短時間、首までお湯に漬かった方が、むしろ健康的だという意見もあります。

 お風呂は快適な習慣ですが、決して健康面で安全ではないので、特に心臓の弱いような方は、長湯は避けるのが安心なのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇