HAE発症の2人が証言 診断つかない難病と向き合った苦悩
■約束も遊びも遠出もできず
「NPO法人HAEJ」事務局長の今村幸恵さんは9歳の頃に激しい腹痛発作で入退院を繰り返した。10歳で大学病院でシェーグレン病と診断され経過観察となるが、原因は不明。14歳で月経開始頃から発作頻度が頻回となった。
「むくみ…と言いますが、激しい腹痛発作で非常に苦しい。10分置きに吐き、3日ほど続き、毎月起こる。体重は30キロをなかなか越えず、身長も伸びない。当時かかっていた病院の先生は、私が瀕死の状態で運ばれてくるけど原因がわからないので何の治療もできない。『怖かった』と後で聞きました」(今村さん)
いつ発作が起こるか分からないので、約束も遊びも遠出もできない。家族旅行もできず、この頃の写真は全くない。死と直結したことしか考えられず、遺書を書き換える日々だった。今村さんがHAE治療の第一人者である九州大学別府病院長の堀内孝彦医師と出会ったのは、34歳の時だ。
長い間確定診断を得られなかった患者たちの多くは、「認知度が高まることが大切」と話す。