アルゴンガスでがん細胞を破壊 前立腺がんの凍結療法とは
「治療中は、隣接する直腸の組織が壊死しないように会陰部から刺した温度センサーで温度管理を行います。また、尿道にはカテーテルを挿入して、35度の温水を流して冷えすぎを予防します。治療時間はおよそ3時間、入院は2泊3日です」
■治療費は自費で150万円
がんの凍結療法は、国内では腎臓がんに対して2011年に保険適用になっている。同大柏病院(千葉県)では01年から腎臓がんに対して実施しており、三木医師はそれに関わってきた。海外ではすでに前立腺がんに対する凍結療法が行われていたことから、国内で初めて15年から臨床研究を始めたという。
これまで前立腺がんの放射線療法後の局所再発に実施してきたのは10例(56~81歳)。治療効果は、前立腺腫瘍マーカーのPSA値の変化で判定する。
治療後の期間が最も長い人は3年2カ月で、最も短い人は1カ月。そのうちPSA値が上昇し、リンパ節転移でホルモン療法に移行したのは今のところ1人(1月11日現在)だけ。凍結療法自体の合併症はほぼないという。