著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

男性ホルモンが関係 認知症対策としての「色ボケ」の効能

公開日: 更新日:

 つまり、男性ホルモンには他人を思いやる行為やポジティブな行為に人を駆り立てる力があるのではないかと考えられる。いささか暴論と思われるかもしれないが、「男性ホルモンが多い人↓他者に優しい、ポジティブ↓非暴力的、恋愛に積極的」という推論が成り立つと私は考えている。

 また、男性ホルモンが多い人は異性に対する興味が強いと同時に同性に対する興味が強いこともわかってきている。当然、恋愛を望む心を高めるばかりではなく、友人づきあいも多くなる。これが「老い」、言い換えれば脳の機能低下や認知症発症を遅らせることになるのだ。

■高齢の女性グループが元気なのは理由がある

 男性の場合、加齢による男性ホルモンの減少によって近所づきあい、友達づきあいが減少する傾向が高まる。一方、女性の場合、閉経後には女性ホルモンが減少し、男性ホルモンが増加する。その結果、加齢とともに人づきあいが増え、家の外で楽しもうとする傾向が高まる。

 最近、平日の格安バスツアーが人気だが、参加者のほとんどが高齢の女性グループだ。歌舞伎、大衆演劇の観客なども同様である。氷川きよし純烈に熱狂する女性高齢者の話は聞くが、男性高齢者の話はまず聞かない。こうした傾向にも医学的要因があると考えられている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動