スマホで脳を活性化 使い方のカギは「能動的」と専門医師
スマホの通知に振り回されることは、サラリーマンならだれしもあるだろう。それで記憶力が低下したらたまらない。そんなリスクを回避するには、どうすればいいか。吉田氏に聞いた。
「仕事で使うかもしれないと、何となく検索したり、動画を見たりと、受動的にスマホを使うのがよくありません。判断する役割を担う脳の前頭前野がストップしてしまうのです。しかし、能動的にスマホを使えば問題ありません。検索する前には、5秒でいい、仮説を立てるのです。そうすると、答えが見つかったときに、『ああ、そうか』と腑に落ちたり、逆に『そんなはずはない』と軽い怒りを覚えたりするでしょう。仮説が当たっていてもはずれても、自分の判断を加えるため、脳の前頭前野が働きます。神経細胞が活性化し、認知機能が高まるのです」
もうひとつは、スケジュール機能の活用だ。
「ToDoリストなどでやるべきことを管理する人は多いでしょう。もう一歩進めて、スマホのカレンダーなどにスケジュールとして入力するのです。たとえば、ダイエットが三日坊主になりやすい人は、会社帰りの予定に『散歩』を入力します。SNSなどの通知を“待ちの姿勢”で使うのはよくありませんが、“自分への指示”として使うのです。スマホの指示は決められた時刻に繰り返す機能がある。そうやって繰り返すと、脳が散歩を意識するようになるのです」