スマホで脳を活性化 使い方のカギは「能動的」と専門医師
通勤の電車内で動画を見たり、ニュースをチェックしたり……。スマートフォンは、毎日の生活に欠かせない。依存症や眼精疲労、さらには記憶力の低下などデメリットも指摘されるが、脳のトレーニングになるという人もいる。“悪玉論”がはびこるスマホも、使い方次第というわけだ。どんな使い方がよくて、どんな使い方がよくないのか――。
メッセンジャーやLINEなどのSNSは、通知機能が備わっている。仕事やプライベートの連絡に便利だが、それがよくないという。
「スマホが近くにあると、脳は無意識のうちにスマホに反応するための準備をします。家電の待機電力のような仕組みで脳のワーキングメモリーが無駄に消費される。そんな生活を続けると集中力はもちろん、記憶力や情報処理能力が低下することが分かっているのです」
こう言うのは、本郷赤門前クリニックの吉田たかよし院長だ。「脳科学と医学からの裏づけ! スマホ勉強革命」の著者でもあり、脳の仕組みに詳しい。
なるほど、東北大の研究グループは子供のスマホの使用時間と大脳の発達について調べた結果、使用時間が長いほど発達の遅れが見られると発表。スマホが絶え間なく膨大な情報を流し続けることから、「脳の過労」や「オーバーフロー脳」を指摘する発表も相次いでいる。