認知症治療の現場でも 自分史を書く作業が脳の筋トレになる
大学ノート1冊あれば始められる
インターネットで「自分史」をキーワードに、書き方を調べると、山ほど方法があった。
その中で最も手軽に感じたのは、就活生向けの「自分史年表」の作り方か。自分の半生を、年表形式で振り返るやり方で、なぜそうしたかを考えて作るといいらしい。
たとえば、「部活動はなぜ剣道を選んだか」とか、「大学進学の際、なぜ経済学部に進んだか」など。結果、自分の強み、弱みや適性や価値観が浮き彫りになるという。
定年世代でも、この方法は大いに参考になる。評論家の立花隆氏は、自著「自分史の書き方」(講談社)の中で、こう述べている。「セカンドステージ(これからの人生)のデザインで、なにより必要なのは自分のファーストステージ(これまでの人生)を見つめ直すこと。そのための最高の方法は自分史を書くことだ」――と。
ごもっとも。「孫子」には「彼を知り己を知れば百戦危うからず」とある。
「オレはなぜこの会社に入ったのか」「どんな仕事をしてきたか」「得意なことは何か」「定年後にやりたいことはあるのか」などと振り返れば、手作りの自分史年表が少しずつ出来上がっていく。
現在に近い年代から思い出す手もあるとか。時代背景やその時々の経済状況等を入れるのもいいだろう。大学ノート見開き2ページに、「仕事」と「家族」を分けて書き出すと、どんな人生を歩んできたのかがより分かりやすいかもしれない。
タダ同然でできるのだから、実践する価値アリだ。