老親の「外出がおっくう」「疲れた」は寝たきりの一歩手前
今年、Aさんと両親で旅行したが、その時も「動くのがしんどい」という母親を気遣い、近くのリゾートホテルに泊まらざるを得なかった。
若林医師によれば、Aさんの母親はプレフレイル、またはフレイルの可能性が高い。
「少なくとも、疲れやすさや活動量の低下が見られるのでプレフレイルには該当するでしょう。5項目でチェックすると、ある年齢以上で運動習慣がない人などは身体的なプレフレイルやフレイルに該当しやすい。私も講演会で冗談交じりに話すのですが、疲れやすく筋肉量が落ちていて、高齢者でなくてもプレフレイルだと思っています」
■対策はしっかり食べてちょこちょこ体を動かす
身体的なフレイルであれば、主な原因は3つ。低栄養、冒頭で触れたサルコペニア(筋肉量減少と筋力・身体機能の低下)、服用している薬の副作用だ。薬に関しては主治医や薬剤師に相談して対処を決めなければならないが、低栄養とサルコペニア対策は今日からできる。
まず低栄養だが、「きちんと食べている」と思っていても、栄養が偏っていれば低栄養が疑われる。特に、高齢者は食が細くなっていたり、作るのが面倒だからと粗食になっていたりで、十分に栄養が取れていないケースが多い。