増える緑内障 回避のカギは眼底を三次元解析するOCT検査

公開日: 更新日:

 しかしレーシックで角膜を削っている人は、目の玉が容易にへこむため、正確な眼圧を測定できないからだ。

「まるで血圧を測定できないまま高血圧の治療を行うかのよう。手探りで眼圧を下げる治療を行わねばなりません」

 前述の通り、緑内障は「視野が欠ける」などの自覚症状が出た段階ではすでに末期の状態。言い換えれば、そうなるまでは、生活に何の支障もない。

 それでも出来る限り早く治療を開始した方がいいのは、一度症状が出始めると、元の「ちゃんと見えた状態」に戻すのは不可能だからだ。

「末期の緑内障では、毎月病院に検査に来てもらう必要があります。視野検査だけでも片目で15分はかかりますし、眼圧や眼底などやらなければならない検査は幾通りもあり、一度の受診で1時間以上はかかるでしょう」

 緑内障には手術という手段もあるが、眼圧を下げるもので、「完治」を目指すものではない。患者への負担も大きい。

「難易度が高い手術で、手術後は今の視力より下がって見えづらくなることもあります。それでも将来、失明するよりはいいだろう、ということで行う。それが緑内障の手術なのです」

 早期発見であれば、生涯、1剤の目薬をさすだけで視力を維持できる可能性が高い。どちらがいいかは一目瞭然だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動