夜泣きに追い詰められた母親が…乳幼児に睡眠薬投与の是非
「抱っこしたり、おっぱいをあげたり、昼間にできるだけあやしたりしても、激しく泣いてしまうケースもあるのです。夜泣きにイライラした揚げ句、赤ちゃんに手を上げて叩いてしまい、“自分はダメな母親だ。母親失格だ”と泣きながら自分を責めて“死んでしまいたい”と言う母親もいます」
いまの母親は出産ギリギリまで働くため、もともと体力がなく、夜泣きの時期に肉体的にも精神的にも限界を超えるケースもあるという。
「赤ちゃんに睡眠薬を飲ませるのは好ましいわけではありませんが、赤ちゃんの夜泣きに苦しむ若い母親を、ただ“我慢しなさい”と言って追い詰めるのもどうなのか。難しい問題です」
病院では乳幼児を眠らせる薬を検査時などで使うことがある。
ならば、“医師の処方の下でなら使ってもいいのではないか”という意見が出ても不思議ではない。
「乳幼児への睡眠薬投与は副作用で呼吸が止まってしまう危険性があり、医師の監視下での使用が鉄則です。赤ちゃんがぐずるから、夜泣きが激しいからといって親が飲ませることは積極的には勧められません。しかし、個別の事情で1回や2回なら出した方がいいのではないか、と迷うことがあるのも事実です」